取出機とは?役割と種類、導入するメリットを詳しく解説

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取出機とは?役割と種類、導入するメリットを詳しく解説

射出成形現場で安全性や生産効率、品質の安定化を図るうえで、取出機は欠かせない設備の一つです。取出機の導入により、生産工程の安全性を向上させると共に、人手では難しい高速・高精度な取出し作業を自動化でき、省人化やサイクルタイム短縮、金型保護にもつながります。

本記事では、取出機の基本的な役割や種類、導入によって得られるメリット、選定時に重視すべきポイントを解説します。あわせて、セーラー万年筆ロボット機器事業部の取出機の特徴やサポート体制についても紹介します。

射出成形とは?

射出成形とは、加熱して溶かしたプラスチックを金型へ高圧で流し込み、目的の形状に成形する加工方法です。日用品や食品容器、自動車部品、医療機器など、身の回りにある多くのプラスチック製品の製造に利用されています。

射出成形の仕組み

プラスチック射出成形は、主に「樹脂(プラスチック)を溶かす」「金型へ流し込む」「冷却して取出す」という流れで行われます。ここでは、それぞれの工程を簡潔に解説します。

樹脂を溶かす

まず、粒状のプラスチック原料(ペレット)を加熱し、成形できるように溶融状態にします。

ペレットは、シリンダ上に取り付けたホッパーからシリンダー内に投入され、シリンダー内部のスクリューの回転によりシリンダ先端方向へ送られます。その過程で、シリンダー外側に配置されたヒーターの熱と、スクリューの回転によって生じる摩擦熱(剪断熱)により、樹脂は徐々に溶けていきます。

溶融した樹脂は、射出装置の先端に一定量ずつ貯められます。

金型に流し込む

次に、溶融した樹脂を高い圧力で金型内部へ流し込み(「射出」し)、製品形状を作ります。

射出成形機に金型を装着したら、型閉じを行い、金型が開かないように強く締め付けます。そのうえで、シリンダー先端のノズルを金型に押し付け、溶融した樹脂を金型内へ射出します。

射出時には金型に高い圧力がかかるため、金型が開いてしまわないように十分な型締力が必要です。樹脂を流し込んだ後は、圧力を保ちながら金型内部を冷却し、樹脂が固まるのを待ちます(例:金型内に流し込まれた約200℃の溶融樹脂を、70℃に保たれた金型で冷却する場合、冷却時間は8秒程度になることがあります)。

冷却して取り出す

最後に、金型内部で樹脂を冷却して固めた後、完成した成形品を取出します。

冷却中には、次の成形に必要な量の樹脂を溶かし(可塑化し)、計量します。金型内の樹脂が十分に固化したら型開きを行い、成形品を突き出して金型から引き剝がしたのちに、落下させたり、機械や人手により取出します。

射出成形では、この一連の工程を短いサイクルで繰り返しながら大量生産を行います。成形品を安定して素早く取出すことが、生産効率や品質の安定に直結します。

プラスチック射出成形で発生する主な課題

プラスチック射出成形での、一般的な課題としては、次のようなものがあります。

  • 製品の品質を安定させること
  • 生産性・生産効率を高めること
  • 作業者の安全性を確保すること
  • 材料費、設備費、電気代、場所代、人件費などのコストを抑えること

特に、金型から成形品を取り出す工程は、品質・安全性・生産効率に大きく関わります。取出し作業には次のような課題があります。

金型からの製品取出しに関係する課題

金型から成形品を取り出す工程では、製品や金型へのダメージを避けながら、短時間に確実に取り出すことが求められます。

  • 取出しのために成形品へ触れる際、製品に傷が付いたり、変形したりする可能性がある。
  • 取出しに失敗し、製品が金型内に残ったまま次の型閉じが行われると、金型が破損する可能性がある。
  • 時間あたりの生産数を増やすためには、成形品をできるだけ素早く取り出す必要がある。

取出しを人手で行った場合の課題

高級万年筆など、特に品質を優先する製品では、熟練作業者が一つひとつ確認しながら金型から成形品を取出す場合もあります。しかし、取出し作業を人手で行う場合には、次のような課題があります。

  • 高温の金型周辺で作業するため、火傷や接触事故のリスクがある。
  • 型締部の近くで作業するため、金型に挟まれる危険性がある。
  • 長時間の単純作業となり、作業者に身体的、精神的な負担がかかる。
  • 取り残しなどのヒューマンエラーが発生する可能性がある。
  • 手作業では取出し時間にばらつきが生じ、サイクルタイムが安定しない。
  • 取出しのタイミングが一定になりにくく、成形条件の安定化が難しくなる。

このような課題を解決する手段として、射出成形現場では取出機の導入が進められています。

取出機とは?

取出機とは

取出機とは、射出成形機で成形されたプラスチック製品やランナーを、金型内から自動で取出すための産業用ロボットです。

射出成形では、高温の金型や型締部の近くで取出し作業を行う必要があるため、人手による作業には火傷や挟まれなどの危険が伴います。また、手作業では取出し時間や作業精度にばらつきが生じやすく、生産効率や製品品質に影響する場合があります。

そのため、食品・医療・化粧品など、特に品質管理が重視される業界では、成形品を安定したタイミングで正確に取出せる取出機が使用されます

取出機の役割

取出機の役割は、金型から成形品を取り出すことだけではありません。金型保護、次工程への受け渡し、後工程の自動化など、生産ライン全体の安定化にも関わっています。また、プラスチックのフィルムなどを金型にあらかじめセットしてから成形を行う「インサート成形」では、ワークを金型にセットする(インサートする)役割も取出機が担う場合があります。

成形品・ランナーの取出し

射出成形における取出機は、成形サイクルごとに開いた金型内へアームを進入させ、吸着パッドやチャックで成形品やランナーを保持して取出します。

人手による取出しと比べて、一定のタイミングで安定して動作できるため、成形条件のばらつきを抑えやすくなり、品質の安定化につながります。

成形品・ランナーの取出し

金型保護

取出機は、成形品を取出す際に、製品の残留やチャック(把持)ミスなどの異常を検知した場合には成形機を停止させることで、金型破損リスクの低減にも貢献します。金型は高額な設備であり、一度破損すると修理費用や生産停止による損失が大きくなるため、金型保護は取出機の重要な役割です。

  • 確実な「把持状態」の確認:取出機は、センサーによって成形品を正常に取り出せたかを確認し、製品が金型内に残ったまま次の型閉じが行われる状態を防ぎます。万が一、把持状態の異常を検知した場合には成形品の取り残しや金型内への落下の可能性があるため、成形機を停止させます。
  • 衝突防止(インターロック):成形機と取出機は、インターロックによって連携制御されています。取出機のアームが安全な位置に戻るまで型閉じが行われないように制御することで、アームと金型の衝突や設備破損を防ぎやすくなります。

このように、取出機には単なる製品取出しだけでなく、金型を保護する「監視役」としての役割も求められています。

次工程への受け渡し

取出機は、金型から取り出した成形品をコンベアやストッカーへ自動搬送し、次工程へ受け渡す役割を担っています。

検査装置、箱詰め工程、ゲートカット装置などと連携させることで、成形から後工程までを一連の流れとして自動化しやすくなります。また、人手による運搬作業を減らせるため、省人化や作業効率の向上にもつながります。

次工程への受け渡し

付加的な動作

取出機には、成形品の金型からの取出し、搬送、次工程への受け渡しに加え、ゲートカットや曲げ加工などの付加的な工程を追加することもできます。周辺機器と組み合わせることで、取出し後の工程を自動化し、生産ライン全体の効率化に貢献します。

  • 成形品の加工・処理:取出機には、ゲートカットやバリ取り、除電処理などの加工工程を追加することができます。また、カメラ検査や重量測定と組み合わせることで、品質確認の自動化にも活用できます。
  • ワークのインサート:取出機は、金属部品やラベルのインサート工程自動化にも活用されています。
  • 積み上げ・整列:取出機は、コンベア上に取出した製品を積み上げたり整列したりすることができます。

このように、取出機は成形品を取り出すだけの装置ではなく、後工程を含めた生産ライン全体の自動化を支える設備として活用されています。

取出機の種類

取出機には、成形品の大きさ、生産速度、成形機の仕様、設置環境などに応じてさまざまな種類があります。代表的なタイプを把握しておくことで、自社の成形条件に合った取出機を検討しやすくなります。

トラバースタイプ:上部から金型内へ進入し、成形品を取出した後、成形機外へ搬送するタイプ

  • 成形機の固定プラテン上に設置するため、設置スペースを抑えやすいタイプです。
  • 直交軸型のロボットであり、構造が比較的シンプルです。
取出機の種類

サイドエントリータイプ(横取り出し式):側面から金型内に進入するタイプ

  • 成形機の上部スペースを使わないため、設備全体の高さを抑えやすいタイプです。
  • トラバースタイプに比べて動作距離が短く、超ハイサイクル成形や精密部品の取出しに活用されます。

スイングタイプ:アームが旋回して成形品やランナーを取り出すタイプ

  • 小型の成形機で、シンプルかつ高速な取出しを行う場合に使用されます。
  • 構造が比較的簡単で、ランナー取出しなど限定的な用途に適しています。

首振りタイプ:シリンダーで構成

  • モーターを使用せず、エアシリンダーのみで動作します。
  • コストを抑えて、簡単なランナー取出しなどを行いたい場合に使用されます。
  • 複雑な動作よりも、単純な取出し作業に向いているタイプです。

多関節ロボット:複数軸のアームを用い、取出し後の姿勢変更、組立、検査、箱詰めなどに対応しやすいロボット

  • 汎用型の多関節ロボットを、金型からの製品取出しに使用することもできます。
  • 複雑な形状の製品を扱う場合や、取出し後のゲートカット、組付け、箱詰めなどの二次加工まで一貫して行いたい場合に導入されます。
  • 動きの自由度が高く、取出し以外の工程にも展開しやすい点が特徴です。

多関節ロボットと取出機(専用機)には、それぞれ得意な用途があります。取出機は、射出成形機から成形品を高速かつ安定して取り出すことに特化した産業用ロボットであり、構造が比較的シンプルで、スピードやコスト面でメリットがあります。

一方、多関節ロボットは動きの自由度が高く、取出し後の複雑な姿勢変更や組立、加工、箱詰めなどにも対応しやすい反面、構造や制御が複雑になる傾向があります。

そのため、高速かつ安定した取出しを重視する場合は取出機、複雑な組立・加工工程まで自動化したい場合は多関節ロボットが採用されます。

射出成形で取出機が使われる主な理由

射出成形で取出機が使われる主な理由は、手作業による取出しと比べて、安全性・生産性・品質安定性・省人化の面で大きなメリットがあるためです。

安全性向上:安全性の確保

射出成形における取出機の導入は、危険を伴う取出し作業を自動化し、労働災害の防止と工場全体の安全管理向上につながります。

危険区域での作業削減

高温の金型や、数百トンの圧力で閉まる型締部の近くで行う作業を機械に置き換えることで、作業員が危険区域へ立ち入る機会を減らせます。これにより、金型への接触事故や、取出し時に発生しやすい手や指の挟まれ・巻き込まれのリスクを低減できます。

作業負担の軽減

成形品の金型からの取出しという、長時間の単純作業を減らせるため、身体的、精神的な負担の軽減に貢献します。

自動化:生産性の劇的な向上

取出機による自動化は、取出しのスピードを高め工場全体の効率向上につながります。

成形サイクルの短縮

取出機は、高速で金型に進入し製品を取出すため、金型が開いている時間を短縮することができます。成形条件が同じでも、取出し時間を短縮できれば成形サイクルを短くすることができ、時間あたりの生産数向上につながります。

生産効率向上:品質の安定化

射出成形において、取出機の導入は品質の安定化を図るうえでも重要です。取出し作業を自動化することで、作業者の体調や熟練度によるばらつきを抑え、安定した生産体制を構築しやすくなります。

装置稼働率の向上

取出機は一定の動作を休みなく行う事ができるため、作業員が作業した場合のように交代や休憩等による停止時間を考慮する必要が無く、設備の稼働率向上につながります。

品質の安定化

取出し時間を一定に保つことで、成形品の温度等の成形条件の変化を抑えやすくなり、寸法精度の安定や傷・変形などの不良防止につながります。

また、作業員が成形品へ直接触れる機会を減らせるため、手垢や衣服に付着したごみ・ほこりなどの異物混入防止にも役立ちます。

製品不良の低減

自動化をすることにより、取出しミスや金型内への製品残留など、ヒューマンエラーによる不良品の発生を抑えることができます。

自動化:省人化

作業員が手作業で成形品を取り出す場合、成形機1台につき最低1人の作業者が付く必要があります。一方、取出機を使用すれば、1人の作業者が複数の成形システムを管理することも可能になります。

取出しや搬送などの繰り返し作業を自動化することで、作業員は複数の成形機の監視や品質確認、後工程の管理など、より付加価値の高い業務に集中しやすくなります。人手不足への対応だけでなく、現場全体の生産体制を効率化するうえでも、省人化は大きなメリットです。

取出機に求められる性能

取出機には、成形品を自動で取り出すだけでなく、生産性の向上や品質の安定化、設備停止リスクの低減につながる性能が求められます。取出機を選定する際には、スピード・精度・耐久性・保守性等を総合的に確認することが重要です。

※生産性の向上とは、より低いコストで、より品質の高い製品を、より多く安定して生産できること。

スピード

取出機におけるスピードとは、単にアームの動作速度が速いことではなく、成形サイクル全体を短縮し、生産性向上につなげる性能を指します。

特に重要なのは、金型への進入・退出、把持、搬送、停止といった一連の動作を無駄なく連動させ、停止後の振動が収まるまでの時間である整定時間を短縮できるかどうかです。

進入・退出スピード

金型への進入・退出にかかる時間が短いほど、成形機の型開時間を短縮できます。最高速度が大きいだけではなく、最高速に到達する時間および最高速から停止するまでの時間を短くする、すなわち加減速が大きいことが重要です。取出機は、このために出力の大きなモーターを搭載したり、減速機によりトルクを増強する必要があります。

振動の抑制(制振性能)

高速でアームを動作させると、停止時に慣性力による振動が発生します。次の動作(例えば製品把持)へ移る前にこの振動が収まるのを待つ必要があり、ロスタイムが生じます。高剛性設計やアクティブ制振制御によって振動を抑え、停止後短時間で次の動作に移行できる性能が求められます。

同期性能

ただ速ければ良いというわけではなく、高速で待機位置まで戻ってきても、次の型開きまで金型の上で長時間待機しているようでは「速さの無駄遣い」となります。高速動作によってギヤやレールの寿命が早まったりと、かえって不都合が生じかねません。必要のない部分ではできるだけ速度を抑えて部品の負荷を軽減し、成形サイクル丁度のタイミングで、待機位置に戻るのが理想的です。

総合的なスピード性能

取出機のスピードは、最高速度の数値だけで決まるものではありません。加減速の応答性、停止時の制振性能、成形機との同期制御がバランスよく備わっているほど、成形サイクル全体を無駄なく短縮しやすくなります。

選定時は、これらを含めた総合的なスピード性能を確認することが重要です。

精度

取出機における精度は、設定した位置へ毎回正確に停止したり、指定した場所を毎回正確に通過したりする性能であり、本体の剛性や組立の正確さ、制御などが総合的に組み合わさることで達成されます。

位置決め精度と繰り返し精度

「位置決め精度(かたより)」とは、取出機が設定した位置へ正確にアームを移動する性能です。位置を指定した後、実際のアーム先端がどれだけ正確にその位置に動くかという性能になります。一方で、「繰り返し精度(ばらつき)」とは、同じ動作を繰り返したときに、その位置のばらつきの度合いです。ギヤが摩耗して遊びが大きくなったりすると、アーム先端は狙った位置からずれて停止することになり、精度は低下します。

また、モーターの発熱や室温変化による各部の熱膨張によって、アーム先端の位置ズレが発生する場合もあります。そのため、環境変化による誤差を抑え、安定した位置決めを維持する技術も重要です。成形品を取り出す際には、吸着パッドやチャックが常に適切な位置で製品に接触する必要があります。位置ズレが発生すると、把持ミスや製品落下、外観不良につながる可能性があります。

特にインサート成形では、金属部品などを金型内へ高精度に配置する必要があります。コンマ数ミリ単位のズレでも、金型破損や成形不良の原因になる場合があるため、正確な位置決めが重要です。

耐久性

取出機における耐久性とは、高温・油分・粉塵など、射出成形現場特有の厳しい環境下でも、長期間にわたって安定した動作と精度を維持できる性能を指します。

取出機は高速往復動作を長時間にわたり繰り返す機械であり、各部に変動する負荷がかかる状態が継続します。装置の耐久性に関しては、剛性、摩耗対策、環境耐性、予防保全のしやすさが重要になります。

剛性と摩耗対策

非対称に設置された金属製のアームを高速で動かす取出機では、フレームにねじれ方向の力がかかります。そのため、ねじれによる本体のひずみをなるべく小さくして精度を維持するために、フレームの剛性が重要です。

また、ガイドやベアリングなどの摺動部の摩耗は、停止位置のズレや動作不良につながります。長期間にわたり安定した動作を維持するためには、耐摩耗性に優れたガイド・ベアリングの採用が求められます。

過酷な環境への耐性

成形機からは、金型や射出部の輻射熱、離型剤のミスト、溶解樹脂からの腐食性ガス、樹脂粉末等が発生し、成形機に隣接して設置される取出機にはこれらへの対策が必要になります。部品そのものの耐熱・耐油性能のほか、影響を受けにくい位置に配置したり、密閉構造を採用したりします。

保守性

取出機における保守性とは、日常点検や消耗部品交換、グリスアップといった保守(メンテナンス)の行いやすさに加え、不具合が発生した場合の復旧の容易さも含むことがあります。いずれも設備停止時間を最小限に抑えるための性能です。

取出機は生産ラインの中で継続的に稼働する設備であるため、不具合時に原因を早く特定し、短時間で復旧できることが重要です。また、定期的なメンテナンスを確実に行う事は、故障の予防にもつながります。

メンテナンスのしやすさ

メンテナンスのしやすさに関しては、対象箇所アクセスを考慮した構造であることが重要です。また、メンテナンスフリーの部品を使ったり、自動給脂システムを導入することにより、作業者のメンテナンスの負担を軽減することができるほか、メンテナンス不足による不具合のリスクを減らすことにもなります。

診断機能

エラーや稼働履歴の表示機能によって、不具合の原因を推定することができます。

また、モーター負荷や稼働回数を監視し、部品交換時期を通知する予兆保全機能や、ネットワーク経由でメーカーが遠隔診断を行うリモート保守機能等も開発が進んでいます。

そのほかの機能

取出機には、生産時に便利な様々な機能が(オプションまたは標準的に)装備されています。

金型記憶

金型を変更した場合、一般的には取出し位置、投入位置などが変わりますので、教示をやり直す必要があります。金型ごとに取出し条件や各位置を記憶しておけば、金型を変更した時にはこのデータを呼び出すことにより最小限の教示作業だけで生産を開始できます。

チャック交換、サンプリング等の機能

金型変更時にはチャックを交換する必要がありますが、チャック交換モードにより、指定された位置にアームを自動的に移動させる機能があると便利です。また、生産中に成形品を検査等の目的で別の場所に投入する「サンプリングモード」を持つ装置もあります。

 拡張性

取出機で製品を保持したまま、ゲートカットしたり折り曲げ加工したりといったことも可能です。これにより、別工程として行う必要があった工程を取出機上で完了することができます。

セーラー万年筆株式会社 ロボット機器事業部の取出機の特徴

セーラー万年筆ロボット機器事業部では、射出成形現場の自動化を支える取出機や周辺機器の開発・製造・販売を行っています。生産現場ごとの条件に合わせたカスタマイズ対応を強みとしています。また、信頼性を重視した設計思想は広く評価されており、長期間にわたってお使いいただいているお客様が多いです。

セーラー万年筆株式会社の概要

1911年創業のセーラー万年筆株式会社は、万年筆などの筆記具メーカーとして知られています。一方で、1970年代からは筆記具事業だけでなく、主にプラスチック射出成形の自動化に関わる産業機器分野にも事業を展開しています。

ロボット機器事業部の概要

ロボット機器事業部では、プラスチック射出成形向けの取出機を中心に、工場自動化装置の開発・製造・販売を行っています。

食品・医療・化粧品など、高い品質管理が求められる業界への導入実績も多数あります。高精度・高剛性・高耐久を重視した製品開発により、多くの成形現場の自動化を支え、高い評価を得ています。

高精度・高剛性設計

セーラー万年筆ロボット機器事業部では、剛性の高い装置製作を強みとしています。特に他に追従を許さない剛性を誇る土台部分の構造は、その上に設置する各マニピュレーターの位置決め精度につながり、そして長期間改造を繰り返しながら使用を続けられる装置寿命の長さへとつながります。

取出機に関してもこの特徴は同様で、装置各部に関しても剛性を高め、精度を維持するためのいろいろな対策が施されています。

ラック&ピニオン方式

ベルト駆動に比べて伸びの影響を受けにくい、ラック&ピニオン方式を採用しています。高剛性で再現性に優れているため、長期間使用しても位置ズレが発生しにくく、取出し精度を維持しやすい点が特徴です。

高剛性フレーム

溶接一体型走行フレームや特殊形状の水平フレームによって、ねじれや歪みを抑制しています。これにより、高速動作時でも姿勢が安定しやすく、精度の高い位置決めにつながります。

軽量高剛性アーム

上下軸に押し出しパイプを採用することで、軽量化と高剛性を両立しています。アームを軽くしながら剛性を確保することで、高速動作時の振動を抑え、安定した搬送を実現しやすくなります。

制振制御による高い静止性能

セーラー万年筆ロボット機器事業部の取出機は、ハード面の高剛性設計に加え、モーター出力の制御によって高速動作時の残留振動を抑えています。

取出機では、アームが停止した後に振動が残ると、吸着・把持動作へ移るまでに時間がかかり、サイクルタイムの増加につながります。制振制御によって停止時の揺れを抑えることで、安定した取出し動作を行います。

これにより、100キャビティを超える超多数個取りの成形品や、高精度な位置決めが求められるインサート成形にも対応します。

高いカスタマイズ性

セーラー万年筆ロボット機器事業部では、製品形状や生産ラインに合わせた柔軟なカスタマイズ対応が可能です。

特に、製品やランナーをつかむ「チャック」部分については、半世紀以上にわたる実績と経験をもとに、成形品の形状や取出し条件に合わせて構成できます。

  • 吸盤
  • メカチャック
  • ブロアー

これらを組み合わせ、対象物の形状や材質、取出し姿勢に合わせたチャックを製作します。

また、本体の剛性から生まれる可搬重量を活かし、ニッパーや除電ユニットをチャック内に組み込むことも可能です。取出しだけでなく、ゲートカットや静電気対策などの周辺工程まで含めた自動化を検討しやすくなります。

本体についても、各ストロークの変更やフレーム形状の変更などに柔軟に対応でき、成形機の仕様や工場のレイアウトに合わせて、現場に適した1台を製作できる点が特徴です。

ユーザー主体の運用を可能にする「MyPro」

「MyPro」は、ユーザー自身で特殊動作を設定できるカスタムプログラム機能です。条件分岐や繰り返し動作などを組み合わせることで、ランナー処理や揺らし動作など、現場ごとの作業内容に合わせた柔軟な制御を行えます。

標準動作だけでは対応しにくい工程でも、ユーザー側で動作を調整しやすく、現場主体の運用につなげられます。

主力製品「sigmaA」「sigma5」シリーズ

セーラー万年筆ロボット機器事業部では、用途や求められる性能に応じて選べる取出機シリーズを展開しています。中でも「sigmaA」と「sigma5」は、成形現場の自動化を支える主力シリーズです。

sigmaAシリーズの特徴

sigmaA

sigmaAシリーズは、一般的な射出成形現場に導入しやすいスタンダードモデルです。標準的な取出し作業に対応しながら、製品形状や生産ラインに合わせたカスタマイズにも対応できるため、幅広い成形現場で活用しやすいシリーズです。

sigma5シリーズの特徴

sigma5シリーズは、高速性と高精度を重視したフラッグシップモデルです。サイクルタイム短縮や安定した取出し精度が求められる現場に適しており、医療・食品分野など、高い品質管理が必要な成形現場で導入しやすいシリーズです。フレーム自体もsigmaAより頑強な設計のため、特殊な取出しや大幅な改造が必要な場合にもこちらの機種をお勧めします。

導入が多い業界

セーラー万年筆ロボット機器事業部の取出機は、食品・医療・化粧品など、高い品質管理や衛生管理が求められる業界で導入されています。成形品への異物付着や品質ばらつきを抑えたい現場、安定した稼働を重視する現場で活用されています。

セーラー万年筆ロボット事業部の取出機の導入後のサポート体制

セーラー万年筆ロボット機器事業部では、取出機を導入して終わりではなく、長期間安定して運用できるように、定期点検やメンテナンス、教育支援などのサポート体制を整えています。

定期点検・メンテナンス対応

取出機を長期間安定して稼働させるには、定期的な点検と適切なメンテナンスが欠かせません。セーラー万年筆ロボット機器事業部では、半期点検や年次点検などを通じて、設備状態の確認や不具合の早期発見を支援しています。

  • 半期点検:稼働状況や消耗部品の状態を確認し、不具合の早期発見や故障リスクの低減につなげます。
  • 年次点検:各機構や制御系を総合的に点検し、取出機の長期安定稼働を支援します。

教育・講習対応

取出機を安全かつ適切に運用するためには、設備そのものの性能だけでなく、現場で操作・保守を行う作業者の理解も重要です。セーラー万年筆ロボット機器事業部では、安全な運用や適切な保守作業を支援するため、産業用ロボット特別教育や各種講習会にも対応しています。

  • 産業用ロボット特別教育:産業用ロボットを安全に取り扱うために必要な基礎知識や操作方法を学べます。
  • 各種講習会:取出機の操作方法や保守に関する知識など、現場での運用に役立つ内容を学べます。

改造対応

長期にわたる運用の間にはお客様の状況も変化していきます。生産品の変化にあわせて本体やチャックを改造したり、動きを追加したりすることができます。

長期運用を支えるサポート

取出機を長期的に活用するには、故障を抑える設備設計に加え、導入後も継続して相談できるサポート体制が重要です。定期点検や教育支援を通じて安定稼働を支えることで、設備停止リスクの低減や現場の運用改善につながります。

このようなサポート体制は、取出機を長く安心して使い続けるための重要な要素であり、リピート導入にもつながるポイントです。

まとめ

取出機は、射出成形現場における安全性向上、生産効率改善、品質安定化を支える重要な産業用ロボットです。成形品やランナーの取出しだけでなく、金型保護や次工程への受け渡しの役割も担い、後工程の自動化にも活用できるため、生産ライン全体の安定稼働に貢献します。

取出機を選ぶ際には、スピードや精度、耐久性、保守性に加え、導入後のサポート体制まで含めて検討することが重要です。

セーラー万年筆ロボット機器事業部では、高精度・高剛性設計と柔軟なカスタマイズ対応を強みとしており、現場ごとの課題に合わせた取出機の導入を支援しています。導入をご検討されている際は、お気軽にお問い合わせください。